「イージーサボタージュ」



目を背けた。
過去から。未来から。現在も現在から。
セーターの裾がほつれていたのは気づいていたよ。
何もしなかったのは多分、面倒だったから。
するするとほどけていくそれをぼんやり視界の端にとらえて、
こんな格好をいつ指摘されるか、ということだけを
びくびくいつも怯えてた。



ほうら過去から送られてくる、督促状、督促状、督促状!
足に絡まっているのはあの毛糸だって分かってるよ?
セーターはもう少ししか残ってない。
だあれもちゃんとは言ってくれない、そりゃそうさ、
中に着込んでいたからね。



督促状は今でもひっきりなしに送られてきて、もうすぐ息も止まりそう。
すき間を縫ってクモの糸が垂れてきているのが見える。
だけど私には、それを途中で放さない自信がなくて、
その資格があるのだろうか?と、遠回りな思考を続けている。

糸も、毛糸も、督促状も、まだ目の前にある。
深く深く目を閉じた。