「陰に耽る」



出来上がったばかりのゆで卵を手のひらで包んで
あなたの温もりを思い出そうとしている
次第に冷めていってしまうから
どこにも逃げられなくなった想いだけが
膜みたいにこびりついているくらいで
次第に冷めていってしまいそうだから




透明に透明に閉じ込められている
いつか爆発してしまいそう
フラスコを逆さまにしたみたいなそこから
いつ答えは出てくるのだろう




ひからびた回想でどこまでも飛べるわけがない
一歩踏み出したい衝動を抑えながら線路沿いを歩く




飛躍していく衝動が妄動していく
数え切れないお星様のひとつにそのうち辿り着くのかな
あなたの温もりを思い出そうとしている
もうその時点で 手のひらは冷めてしまっていることに
気づかないふりをして