「無言の密度」



あなたが何も言わないから

無言の密度が増えてゆく

私が何も言えないから

無言の密度が濃さを増す

窓辺には風鈴一つ

季節外れの音もなく

私はただただ俯いて

あなたの言葉を待っている

化石のごとく月が満ち

骸のごとく木が萌える

私は逆さの睫毛を伏せて

あなたの呪縛を

密かに

ひそやかに

楽しんでいる

あなたが何も言わないから

無言の密度は深くなる

私も何も言わないから

だから

そっと